|
TSHレセプター(受容体)抗体(TBII
またはTRAb)や甲状腺刺激抗体(TSAb)として知られている抗体は、バセドウ病、バセドウ病眼症、前脛骨粘液水腫と呼ばれる皮膚病変の原因である<注釈:バセドウ病以外は医学的に証明されているわけではない>。バセドウ病では、甲状腺刺激抗体(TSAb)は甲状腺細胞に存在するTSHレセプター(受容体)に結合して、脳下垂体から分泌されるTSHの代わりに甲状腺細胞を刺激する。この刺激により甲状腺ホルモンが過剰に作られ、血液の甲状腺ホルモン値も高くなり、甲状腺機能亢進症の症状が出現する。甲状腺刺激抗体(TSAb)は、バセドウ病の診断に使われる。ジョセフ・フィッシャー医師は最近の論文の中で(South
Med J 95(5): 493-505, 2002)、放射性ヨード摂取率はバセドウ病の診断には最早、不必要であると述べている<注釈:ジョセフ・フィッシャーが書いた論文を実際に読みましたが、実際の記載は「放射性ヨード治療を計画している場合か無痛性甲状腺炎を疑うとき以外、放射性ヨード摂取率試験は必要ない」というものです。加えて、「甲状腺刺激抗体(TSAb)やTSHレセプター抗体(TBII
またはTRAb)が放射性ヨード摂取率より優れているという点に関しては、今も結論が出ていない」と書いている。メアリー・ショーモンは真実を伝えていない。放射性ヨード摂取率はバセドウ病の診断に使われる検査のうちで、今でも最も信頼のおけるものです。アメリカでは、甲状腺刺激抗体(TSAb)、TSHレセプター抗体(TBII
またはTRAb)の費用は150〜225ドル(現時点のレートで18,000〜27,000円)と高価です。
日本では、TSAbは3,700円、TRAbは3,400円です。3割負担で患者さんが支払うのは1,000円ちょっとです。日米の医療費の違いがよく分かります。因みに、放射性ヨード摂取率はすべてを含めても5,600円で、3割負担だと1,600円程度です。これにシンチをすると値段は数倍に跳ね上がります。機能性甲状腺結節を疑う場合を除いて、通常、バセドウ病の診断にシンチは必要ありません。基本的には放射性ヨード摂取率のみで十分です。TSAbかTRAbのどちらかを一緒に測るとバセドウ病の重症度が分かりますので、有用です>。 |
|