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当院が休診以外の日で、患者さんが都合の良い日に治療しています。アイソトープの余裕があれば、当日できることもありますが、基本的には予約制です。治療は3.5〜4時間で終わります。途中、約3時間の待ち時間(アイソトープカプセルを服用して摂取率を測定するまでの時間)がありますので、外出されても結構です。 |
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- 1週間前からヨード制限:
具体的には以下の食品を控えてもらいます。海草類(昆布、ひじき、ワカメ、のり、寒天など)、ヨード卵、昆布出しの入った調味料。
- 抗甲状腺剤(メルカゾール、チウラジールまたはプロパジール)の中止:
治療4日前から中止してもらいます。
- ヨード剤の中止(使用している場合):
治療7日前から中止してもらいます。
- ベータ遮断剤:
症例によって、抗甲状腺剤、ヨード剤を中止した時から開始します。甲状腺機能が落ち着くまで服用してもらいます。
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治療のカプセル(上段左から1mCi、3mCi、5mCiです。外来で使用するのはこの3種類だけです)を飲む前に甲状腺にどれくらいアイソトープが取り込むかをみる検査(摂取率試験)をします。このとき、治療日が金、土なら検査用アイソトープは131Iカプセル(右下の水色のカプセルが検査用です)、月、火、木なら123Iカプセル(カプセルの色はオレンジ色です)を飲みます<注釈:123Iカプセルは月、火、木が検定日です。半減期が短いため(13時間)、基本的にはその日だけしか使用しません>。3時間後に検査用アイソトープの摂取率を測定します。この摂取率と甲状腺重量からアイソトープの投与量を計算します。計算式は次の如くです。 |
アイソトープ投与量(mCi) = |
甲状腺重量(g) × 80μCi / 131I摂取率(%) × 10 |
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<注釈:通常、131I摂取率(%)は24 時間値を用いますが、何故3時間値で良いかはあとで述べます>
治療は、大変簡単です。治療用のカプセルを服用するだけです。 |
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- 治療後3日間(治療翌日を1日目とする)ヨード制限
- 治療後3日間(治療翌日を1日目とする)抗甲状腺剤中止
- 治療後3日間(治療翌日を1日目とする)ヨード剤中止(使用している場合)
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- 毎日少なくとも4杯の水か他の水分を摂りましょう。服用したアイソトープのほとんどは、48時間以内に尿中へ出るからです。
- 風呂は、最後にお入りください。お湯を抜いた後は、シャワーで浴槽をよく洗ってください。ただし、シャワーだけの場合は最初に入っても結構です。汗に少量のアイソトープが出るからです。
- 可能なら、一人で寝てください。キスやセックスはさけてください。唾液や体液に少量のアイソトープが出るからです。
- 赤ちゃんがいるのなら、世話をするのは1日2時間以内にしてください。甲状腺に取り込まれた放射性ヨードから放射線が出るからです。特に、あなたの首には近づけないでください。
- 女性の場合、6ヶ月間は避妊をしてください。放射性ヨードは1ヶ月もすると甲状腺からさえも出ていきます。しかし、絶対に安全である6ヶ月間としています。
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[最後にひとこと!!] |
いろいろ注意事項を書きましたが、カプセルを飲んで、本人がどうもないのに他人がどうにかなると思いますか?これが結論です。ご安心ください。 |
治療前後で数日間、抗甲状腺剤やヨード剤を中止しますので、甲状腺ホルモンが高くなって体調が悪くなることもあります。そのようなときにはベータ遮断剤などで治療すれば、良くなりますから心配ありません。そのうち、抗甲状腺剤やヨード剤を再開すれば、甲状腺ホルモンが落ち着いてきて気分も良くなります。変わったことがあれば、主治医の先生に電話で質問されるといいと思います。 |
アイソトープ治療後の治療および追加アイソトープ治療の決定について |
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アイソトープ治療後の診察は、1ヶ月後、3ヶ月後、5ヶ月後です。甲状腺機能が落ち着くまでは抗甲状腺剤もしくはヨウ化カリウムを服用してもらいます。通常、アイソトープ治療5ヶ月後に受診した際、2回目のアイソトープ治療を行うかどうかを決めます。もし、甲状腺の大きさが縮小してきていたら3ヶ月待ちます。アイソトープ治療5ヶ月後に、3ヶ月後と比べて甲状腺の大きさに変化がなく、クスリを中止できなければ、アイソトープ治療6ヶ月後以降に2回目のアイソトープ治療を行います。その後の追加アイソトープ治療を行う場合も、同じやり方で決めます。 |
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Drop-out(来院しなくなった患者):一年以上来院なし、もしくはアイソトープ治療6ヶ月以内で来院なしの患者と定義した。
甲状腺機能低下症になるまでの期間は、最後のアイソトープ治療からの期間(月)とした。 |