通常の甲状腺癌の治療手順は、手術と放射性ヨード治療の組み合わせとなります。時に、癌が第2期である場合、放射線照射治療が必要になることがあります。まれな未分化型または未分化癌に罹った場合にのみ、化学療法が必要となります。甲状腺癌は、一般的に再発率が非常に低く、ほとんどの年齢グループおよびほとんどのタイプの甲状腺癌で、癌の再発は17%ほどにしかなりません。 |
■ |
癌がどの段階にあるかは関係なく、治療法としては手術がかならずといってよい程使われます。甲状腺にあるしこりが癌であるとわかった場合、これは癌が甲状腺以外の場所に広がっておらず、第1期であることを意味しますが、そのような場合であっても、甲状腺亜全摘または全摘が行われます。
この考え方は“チャンスを逃すな”ということです。 |
甲状腺癌が首にあるしこりから見つかった時は、癌が甲状腺を超えて甲状腺のまわりのリンパ節に広がっており、第2期であることを意味します。このようなケースでは、周辺のリンパ節のみならず、甲状腺も全部とってもらう必要があります。これが甲状腺全摘術と言われるものです。外科医は、首の奥の方にある一見健康そうなリンパ節も癌がないかどうか確かめるため、調べるようにします。このためには、2〜3リンパ節をとって、あなたがまだ手術室にいる間にそのリンパ節に癌細胞がないかどうか顕微鏡で素早く調べます。もしあった場合、癌が首のもう少し奥の方まで広がっていることを意味します。そして、外科医は癌細胞のあるリンパ節をすべてとってしまいます。これが頚部リンパ節郭清と言われるものです。純粋な乳頭癌であれば、癌は首の方に広がることが多いのですが、濾胞癌は肺や骨に広がります。乳頭−濾胞混合型のものは乳頭癌と同じように振る舞い、首に広がります。もっとまれなタイプの甲状腺癌だけは手術が勧められませんが、手術は常に分化型の甲状腺癌に対する第1段階の治療です。 |
甲状腺全摘術対甲状腺亜全摘術(葉切除)は、現在甲状腺外科医と内分泌病専門医との間で大変な論争となっている問題です。多くの外科医はできるだけたくさん甲状腺組織を手付かずで残そうとする“保存的”アプローチを取るようにしています。これはまったく素晴らしいことですが、最高の研究とトップクラスの外科医によると、大体において、甲状腺癌が見つかった場合、これは誤ったアプローチとなるということです。例え、癌が小さくて限局している場合でもです。そして、甲状腺癌が再発する可能性は低いため、あるいは外科医が癌性の小片をすべて見ることはできないと思われるので、
通常は、“仕事の締めくくり”に放射性ヨードが勧められます。葉切除は、サイズが1cm以下の乳頭.癌あるいは非常に悪性度の低い濾胞癌にのみ許容できるものです。しかし、どちらを選ぶかということになれば、再発のリスクが間違いなく最小限になり、甲状腺の手術を繰り返す必要がなくなるため、このような場合でも甲状腺全摘術を受けるだけの価値はあるかと思われます(このようなはめになった人を知っています)。 |
甲状腺切除後の放射性ヨード治療は、すべての甲状腺組織−つまり、癌性である可能性がある組織−を根絶する重要な方法です。放射性ヨードスキャンは、甲状腺癌の再発を見つける大切な方法です。しかし、甲状腺が半分まだ体の中に残っている場合は、その組織が結局甲状腺炎を起こすため(これは約60%の割合で起こります)、放射性ヨード治療はそれほど効果が上がりません。また、放射性ヨードスキャンも、裸眼では見えない甲状腺の残遺物を見つけ出すようにデザインされているため、役に立ちません。要するに、甲状腺組織が残っていればいるほど、それが癌になる可能性が高くなり、そのために手術だけでなく、すべての診断用検査をもう一度繰り返さなければならない可能性も高くなるのです。専門家の間では、正常な甲状腺組織をすべて破壊すれば、甲状腺組織が作る蛋白質である、血液中のサイログロブリンレベルがはるかに検知しやすくなるということでも、意見が一致しています。甲状腺を取ってしまい、残った小片(“残存組織”と言います)をすべて破壊した後に、体がサイログロブリンを作っているようであれば、癌が再発したかもしれないという徴候です。 |
もし、最終的に葉切除を受けることにした場合、手術後に甲状腺ホルモン剤を飲む必要がないと思われます。普通、残った側の葉がわずかに大きくなり、体に必要なだけのホルモンを作るため、“倍の”働きをするようになります。 |
少なくとも1週間に1回は甲状腺切除術を行なっている熟練した外科医が行うのであれば、この手術のリスクはほんのわずかです。甲状腺切除を受けた患者の約1%が甲状腺に非常に近いところを走っている声帯へ行く神経の損傷を経験します。
<第1章>でも述べましたが、カルシウムレベルを調節している副甲状腺の損傷の可能性もいくらかあります。副甲状腺の損傷により、唇のまわりや口、手、および足にしびれやちくちくした感覚が生じることがあります。筋肉の痙攣やれん縮、そして時には痙攣発作さえも起こることがあります。このようなことが起こったら、大量のビタミンDをカルシウム剤と一緒に与えて治療することになります。
最後に、どの手術でもそうですが、傷口が感染する危険性がわずかですがあります。甲状腺の手術はデリケートなもので、何をしているかがよくわかっている熟練した頭頚部外科医にかかるようにすることが大切です。もっと詳しい情報については、<第10章>をご覧ください。 |
癌が見付かったら直ちに、外科医は手術日を予約します。手術の約12時間前には病院の受け付けをすませる必要があります。この間に、病院のレジデント(専門医研修生、この場合は外科研修生)が来て、手術の手順を詳しく説明することになります。また、そのレジデントがアレルギーがあるかどうか、あるいは合併症を起こす可能性のある薬を飲んでいないかどうかを見るために、病歴を聞きます。レジデントは、あなたの質問や心配なことにもすべて答えてくれるはずです。病院は人が動かしています。そして、人は過ちをおかします。そのため、この時点で正しい処置のために予約がなされているか、そして自分が紹介された外科医と同じ医師が手術を行うのかをはっきりさせておくことが大切です。 |
最後に、レジデントが病院にあなたの手術許可を与えるための書類を渡し、署名するように言います。この書類は法律に基づいた文書です。署名をする前にかならず読んでください。この書類に関してわからないことがあれば、レジデントに説明してもらうようにしてください。レジデントが質問に答えられない場合は、答えられる人を捜してくることになります。質問に答えてもらうまで、署名してはなりません(この書式は州毎に、また国毎に様々に異なっています)。
それから、麻酔専門医(手術中に麻酔を行う専門医)が会いにくるでしょう。この麻酔専門医はある種の情報を確認するため、同じ質問をすることがあります。また、手術の手順についても詳しく説明しますが、手術の前12時間は絶食するように指示し、麻酔に伴うリスクについても簡単に説明します。また、麻酔で意識がなくなったり、麻酔から覚める時にどのようなことが起こるかも教えてくれます。この時点で、心配なことや質問があったら、かならずはっきり口に出して言うべきです。皆、気にかかることはそれぞれ違います。正しい質問とか、間違った質問とかはありません。ここでもう一度、正しい処置のために予約が入っているか、手術する医師が紹介を受けたのと同じ医師であるかなどはっきり確かめます。これは念を押すためです。 |
最後に、看護婦が来て、実際の麻酔が行われる前に、眠りを誘発するための静脈注射をします。朝は手術のために非常に早く起こされ、手術室まで運ばれます。
ここまでは、非常にふらついた感じで、何もかもが夢の中のように見え、半覚醒状態です。実際にとても眠く感じるので、心配事は頭から離れてしまっているでしょう。首と胸全体に消毒剤を塗られますが、皮肉なことにこれはヨードです。
それから麻酔専門医が麻酔剤の静脈注射を始め、100から逆に数を数えるように言います。90まで数えないうちに深い眠りに入ります。 |
目が覚めた時、2時間から5時間かかる手術を受けた後で、もとの部屋に戻っています。麻酔の後で吐き気がし、目が覚めてから最初の2〜3時間に吐いたりする人もいます。これは正常です。首は完全に包帯で被われており、包帯を巻いたところには何も感じません。これは、手術の間に神経の端が切断されたためです(元どおりになるまで数年かかります)。また、首にチューブが着いているのに気がつくでしょう。このチューブは首からの液を排出し、手術後に溜まる液をすべて吸い出すためのものです(これはどの手術でも行われることで、甲状腺切除術だけではありません)。それでは痛みはどうなのでしょう。信じようと信じまいと、静脈注射や吸引チューブの方が痛みよりも不快に感じるのです。これは神経の端が切断されたためで、おそらく少しばかり喉が痛いのですが、しびれたように感じるでしょう。それだけです。本当ですよ。また、痛み止めも投与されますが、これは一般の市販薬であることが多く、これも不快感を和らげてくれます。 |
どこの病院であれ、1日から4日入院することになるでしょう。そして、その後は自宅で1週間から3週間ほど静養します。形成外科のテクニックが傷口を閉じるのに使われますが、そのため傷痕はほとんど残らず、首の自然な皺に紛れてわからなくなることが多いのです。さらに、傷痕は非常に細いので、ネックレスで簡単に隠せます【図6.1】。2週間ほど自宅で過ごした後、糸を取ります。そして、針でさらに溜まった液を出すこともあります。それから、永久に甲状腺ホルモン剤を飲みようになります。ホルモンのバランスが取れるまで、普通は内分泌病専門医が薬の量をモニターすることになります。しかし、正しい量がわかるまで、甲状腺機能低下症になったり、亢進症になったりすることがあります。 |
【図6.1】甲状腺切除後 |
|
|
第2期の癌があり、甲状腺全摘を受けた場合、手術の後の次のステップとして放射性ヨード治療があります。この治療の目的は、徹底的に殺してしまうことで、体のどこにも甲状腺癌が絶対確実に生じるチャンスがないようにするためのものです。 |
放射性ヨードは体内のすべての甲状腺細胞と組織を破壊し、したがって分化型甲状腺癌の細胞、または将来癌になる可能性のある正常な細胞をすべて破壊することになります(<第11章>で放射性ヨードについて詳しく説明しています。この治療が必要な人は、かならず読んでおくようにしてください)。 |
また、甲状腺切除手術がうまくいったかをチェックするため、もう一度甲状腺スキャン(<第5章>参照)を受けることになりますが、これは甲状腺組織がまだ体内に残っているのであれば、どれくらいかを確かめるものです。ここでも放射性ヨード(123-I)の“トレーサー(追跡子)”が使われます。普通は、この検査にはやや高い線量が必要になります。このフォローアップのためのスキャンを行った後、おそらく体のスキャンも必要になるでしょう。このスキャンでは、体全体の写真を画像装置が撮影し、甲状腺を超えて癌が広がっていないかを確かめます。 |
医師は甲状腺ホルモン剤を中止して、わざと甲状腺機能低下症の状態にして、甲状腺刺激ホルモン(TSH)が血液中に放出されるようにします。TSHが正常な組織と癌組織の両方を刺激して、ヨードを取り込み易くします。そうすれば検査の精度がはるかに高くなります。最終的に甲状腺癌の治療として放射性ヨードが投与される時は、まったく同じことが行われます。 |
甲状腺癌に対する放射性ヨード治療は、もう少し程度がひどいものです。通常の線量は、100から150ミリキュリーの間です。これは大変多い線量です。そのような高線量(30ミリキュリーを超えるものは何であれ)になる理由は、甲状腺癌ではその目的が体全体の甲状腺癌組織をすべて殺すことにあるためです。これは、癌がどの程度進んでいるかによりますが、第2期の治療として行われるのみです。“取り残した”正常甲状腺組織、または残遺組織を破壊するのに、どれくらいの線量の放射性ヨードが必要かということについては、すべての甲状腺専門医の意見が一致しているわけではないことを頭に入れておくことが大切です。一部の人は29ミリキュリー程度の線量しか与えられませんが、北アメリカでは、これが入院せずに受けることができる最大線量です。 |
高線量(30ミリキュリーを超える線量)で治療した後、病院の個室に少なくとも2日間隔離されます。これは見舞い客がないということです。口が乾いて、首のところに圧痛がある以外は、不快なことはほとんどありません。そのような経験をしているということだけを考えると、明らかに不安や抑鬱を感じるかもしれませんが、そういうことから離れて、読書をしたり、テレビを見たり、あるいは家族や友達と電話で話したりして、病院で静かな時間を過ごすようにします。 |
病院のスタッフが食餌やタオルなどすべて運んでくれます。トイレの便座の上にちょうど“幼児用便器”のようにはまる特殊な容器の中に排尿する必要があります。病院のスタッフが定期的に部屋に入り、放出された放射能の量を測るため、ガイガーカウンターで尿をチェックします。他の人が被爆しても十分に“安全”な放射能レベルになれば、帰宅を許されます。<第11章>で概略を述べていますが、おそらくもう2日ほど経って放射線の半減期が相当減少するまで、予防処置をとるべきです。 |
約10日後、治療が効いたかを確かめるためにもう一度スキャンを受ける必要があるかもしれません。まず全部と言ってよいほど効いています。治療後の検査がすめば、普通は家で自由に過ごします。治療がうまく行かないのは、まれなケースのみです。 |
もちろん、放射性ヨードについても制約がいくらかありますが、甲状腺の検査や治療には非常に安全で、日常的に使われる方法であると考えられています。治療に抵抗し、治療せずに病気の進行を許せば、もっと危険な状態になります。おそらく、実際にもっと有害な毒素を毎日のように吸い込んでいるかと思われます。
本当のところ、チェルノブイリ原発事故で放射能に被爆するようなそんな危険なものでないことは確かです。 |
放射性ヨードが白血病や他のどのような種類の癌も起こすことはありません。さらに、不妊になったり、少なくとも治療後6ヶ月待って妊娠するようにすれば、奇形児が生まれる確率が増えるというようなこともありません。 |
それはそうとして、主治医のせいで電話口で助けを求める読者からどれだけの数の電話がかかってきたか、ちょっと言えないくらいです。普通、初期治療を担当する医師は放射性ヨードについて何もかも知っているわけではないのに、放射性ヨード治療が白血病や乳癌、卵巣機能不全、そしてありとあらゆる恐ろしい病気を挙げて、その原因になるとその人達に言ったのです。甲状腺専門医は誰でも、そんなことは全然ないというでしょう。私も同じ事を報告している研究をファイルしたものを持っています。この治療を受けた患者は、私も含めてですが、1950年代からずっと追跡検査を受けており、これらの癌の発生率は一般集団と同じです。主治医が違うことを言った場合は、その先生がただ新しい文献をちゃんと読んでいないだけです。初期の研究では、500ミリキュリーの放射性ヨードで治療を受けた患者1000人あたり5ケースの白血病が起こるであろうことが示唆されています。この線量はちょっと聞いたことのない量です。要するに、標準的な線量である100ミリキュリーの放射性ヨード治療を受けた後に白血病に罹りやすくなるということは、この治療の後に自動車事故に遭う確率が高くなるというのと同じような論理です。 |
しかし、本当のことは、一つの内分泌腺に癌ができたら、統計学的に乳癌のような他の内分泌腺の癌になり危険性が高くなるということですが、これは放射性ヨードとは何の関係もありませんし、すべては遺伝子と家族歴に関わりのあることです。 |
今現在、研究されているそれ以外の唯一のリスクは、放射性ヨードが唾液腺に及ぼす影響です。この治療を受けた後で唾液腺の炎症(唾液腺炎と呼ばれます)が起こるリスクが増加するようです。専門家は治療後にレモンをなめたりして唾液腺が働くように刺激を与えることを勧めております。 |
いろいろな面で、放射性ヨードは本当に“奇跡”の治療法です。もっと詳しい情報を得たい方は、核医学学会にお電話(番号212-889-0717)なさるか、この本の巻末に挙げた甲状腺協会の一つに連絡なさってください。 |
甲状腺切除を受け、周辺のリンパ組織もとってしまった場合、一部の例で、外科医が放射線療法、または放射線の外部照射を受けるように言うことがあります。
これは治療列車の終着駅ですが、治療の中でいちばん不快な部分でもあります。
ここでも、外部照射の目的は、甲状腺癌がまた再発するという心配をしなくてよいように、徹底的に殺してしまうことです。 |
放射線療法としてはコバルト線か、レーザー光線治療(これはライナック治療の間違いと思います)のどちらかで治療されます(コバルト線の方が多く使われます)。X線治療でも抗ガン剤療法でもありません。したがって、どちらの治療でも、髪が抜けたりすることもなく、また化学療法に伴う吐き気やその他の副作用に悩まされることもありません<注釈:首に対して上方に15度の角度をつけて照射しますので、うなじの上は抜けます>。レーザー光線は癌が広がった首の部分だけをきわめて正確に照射することができます。この考え方は非常に単純なものです。レーザー光線はねらった細胞を刺激し、殺す一種のエネルギー線を放出します。細胞が癌性である場合、それも殺してしまいます。しかし、実際のプロセスはもうちょっと複雑になります。まず、放射線治療を専門とする放射線治療専門医に紹介されます(X線写真や診断用検査の読み取りを専門とする放射線科医と混同しないようにしてください)。放射線治療専門医は特殊な染料を首の正確な部位に点状に注入し、“刺青”を入れます。この点々は小さな青いそばかすのよう見えます。この染料は後でレーザー光線によって取り除かれますが、この刺青は放射線治療専門医があらかじめ定めた首の部分を区切ることで、照射目標をはっきりさせるために使われます。外部照射治療の線量は、他の部位の癌の投与量と比べて少ないです。甲状腺癌の通常の治療手順は、平日に毎日30秒の照射を1ヶ月間行います。例えば乳癌のある女性では、毎日10分間もの照射を6ヶ月間行うことがあります。これで照射線量がどれ程小さいものであるかお分かりになったと思います。 |
刺青を入れた後、2〜3日後に病院の地下にある放射線治療室に行くことになります。放射線治療室は、健康な人への被爆のリスクを最小限に止めるため、地下にあります。これは本当に安全対策のために過ぎないのですが、病院のいちばん底にある治療室に行くのは、非常に孤立し、憂うつに感じられることがあります。
そのために誰か力になってくれる人と一緒に行くことが大切で、そうすれば決して一人ではありません。 |
放射線治療室は実際に機械を操作するたくさんの放射線技師が配属されています。暗い部屋に入り、頭上に装置がある診察台のように見えるものの上に横たわります。この装置はレザー光線を発するものです。首のところだけを出して、鉛入りの毛布で被われます。それから、光線のスイッチが入れられます。 |
処置そのものは痛みがありませんが、その後はそうではありません。このことをあらかじめ知っていても、症状が和らぐわけではありませんが、もっとよく理解できることで、耐えやすくなると思われます。 |
治療の最初の週は、おそらくたいして異常を感じないでしょう。2週目までに、光線があたる区切られた部位がひどい日焼けをしたようになり、喉がとても痛くなります。ものを飲み込むの時にひどく痛むようになります。治療が進むに連れて、喉の圧痛がだんだんひどくなっていきます。また、治療の3週目または4週目までには、非常な疲れも感じるようになります、これはこの処置が身体的のみならず、精神的にも消耗するものだからです。 |
症状を和らげるためには、いつもアスパーガムを噛んでおくようにするのがいちばんよいようです。これは本当によく効きます。放射線治療専門医の中には、キシロカイン(英語ではザイロカインと発音します)のような局所麻酔剤を症状を和らげるために処方するひともいます。これは喉の感覚をすべてしびれさせるものです。味はとても悪く、そのため必ずしも効かないことがあります。日焼け様の症状を緩和するには、市販の日焼け止めクリームを使うか、担当の放射線治療専門医または放射線技師に何かよいものがないか尋ねてみるようにしてください。一般的に、赤ちゃんに安全に使えるおむつかぶれ用クリームや日焼け止めクリームが非常によく効きます。また、やわらかい食べ物の方がよいのは明らかです。食べ物をすべて受け付けない場合は、エンシュアと呼ばれる飲み物で生きることができます。これは薬店や病院内の薬局で売っている栄養食品のドリンクです。このドリンクは、ちょうど甘いミルクセーキのようで、味は様々なダイエットプログラムの食餌代わりのドリンクと似ています。 |
治療が終わったらすぐに、気分がよくなり始めるでしょう。その後、3ヶ月してからもう1回甲状腺スキャンを受ける必要があります。それで治療は終わり、癌も治っているはずです。 |