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「甲状腺機能亢進症」という言葉には、すべて血液中の甲状腺ホルモンレベルの上昇を伴なう、異なった種類の疾患が含まれる。バセドウ病は甲状腺機能亢進症の原因でもっとも多いものであるため、主にこの疾患について述べることにする。 |
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[病 歴] |
通常は、詳しい病歴聴取により甲状腺機能亢進症であることを示唆する十分な手がかりが得られる。患者には神経質さや疲労、心悸亢進、運動時呼吸困難、体重減少、暑さに耐えられない、いらいら、震え、筋力低下、女性の月経量減少、睡眠障害、発汗の増加、便通回数の増加、食欲の変化、甲状腺の腫大などについて尋ねなければならない。また、羞明や目の刺激、複視、あるいは視力の変化についても尋ねなければならない。
バセドウ病の症状がはっきり出ていない人では、最近のヨード摂取や過去または現在甲状腺ホルモンを使っているか、前頸部の痛み、妊娠、あるいは甲状腺腫歴に関する質問も含めるようにする。甲状腺疾患の家族歴も採取すべきである<注釈:最近、日本では動物の甲状腺ホルモンを混入している中国からのやせグスリが通販で売られており、注意を要します。医師は、このようなクスリを服用していないかどうかも尋ねるべきです>。 |
[診 察] |
徹底的な診察を初診時に実施しなければならない。診察は体重と身長、脈拍と脈の乱れ、血圧、心臓の聴診、甲状腺腫大(びまん性または結節性)、近位筋の筋力低下、振戦、目の診察(眼症の徴候がないかを調べる)、および皮膚の診察(脛骨前粘液水腫を調べる)に重点をおいて行なうようにする。
高齢者には甲状腺機能亢進症の症状があったとしても、体重減少や心臓の異常、特に心房細動と/またはうっ血性心不全以外にはほとんど症状がない場合がある。 |
[検査所見(1)] |
甲状腺機能亢進症は、ある種の薬剤や非甲状腺性疾患、そしてあまり多くないがそれ以外の様々なファクターによって引き起こされることのある「甲状腺正常状態の高サイロキシン血症」と区別しなければならない。甲状腺機能亢進症の診断をつけるための特異的な検査には、血清中の甲状腺刺激ホルモン(TSH)測定(甲状腺機能亢進症では抑制される)だけでなく、遊離サイロキシン(フリーT4;甲状腺機能亢進症で上昇する)の推定値または直接測定値が含まれる。TSHレベルは、甲状腺機能亢進症の人と甲状腺正常状態の人とをはっきり区別するに十分な感度の測定系で測定しなければならない。フリーT4レベル(推定値)が、臨床的に甲状腺機能亢進症である患者で上昇しているのに、血清TSHレベルが抑制されていない場合は、TSH産生脳下垂体腺腫の可能性を臨床家は考えなければならない。
甲状腺機能亢進症であることが確認されたら、臨床状況に応じてその他の検査を行なう場合がある。これには総トリヨードサイロニン(T3)、甲状腺自己抗体、および放射性ヨード摂取率試験がある。後者は、バセドウ病の診断がはっきりつかない場合に行なう必要がある。「無痛性」や産後あるいは亜急性甲状腺炎の患者の場合は、放射性ヨード摂取率が上昇せず、低値を示す(1)。一般的に、生化学的診断がなされ、甲状腺機能亢進症の原因が確認されるまで、特異的治療は保留すべきである。ほとんどの例で、患者が別の診断用検査を受けている間、ベータ遮断剤で症状を緩和することができる。 |
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バセドウ病の治療は、正常な代謝状態に戻すため、もっぱら血清中の甲状腺ホルモン濃度を下げることに集中する。現在3種類の治療法が使われているが、すべて効果がある。これには抗甲状腺剤(ATD)、放射性ヨード(131-I)、および手術がある。
患者はすべての治療形態の適応症や関係を、そのリスクや利点、副作用も含めてはっきり理解しておくべきで、どのタイプの治療を行なうか結論を出すまでの過程に積極的に参加するようにしなければならない。治療は甲状腺細胞を破壊するタイプ<注釈:普通は放射性ヨード治療、希に手術>が勧められる場合が多いため、初期医療担当医にそのような疾患に対する経験がないような場合、患者の治療には内分泌病専門医が参加することが有利になる場合がある。
甲状腺機能亢進症があり、放射性ヨード摂取率が低い患者では、これらの治療はすべて適応とならない。放射性ヨードの摂取率が低いということは、大抵の場合甲状腺炎をうかがわせるものであり、それは自然に治るからである。このような人では、ベータ遮断剤で十分に甲状腺機能亢進症の症状はコントロールできるのが普通である。 |
[抗甲状腺剤(2)] |
抗甲状腺剤(メチマゾール<注釈:日本ではメルカゾール>とプロピルチオウラシル<注釈:日本ではプロパジールまたはチウラジール>)は甲状腺ホルモンの生合成を阻害するものである。初期治療の形でも、また放射性ヨード治療あるいは甲状腺の手術の前(一部のケースでは後)に甲状腺ホルモンレベルを下げるのにも効果がある。一部のバセドウ病患者では、抗甲状腺剤による長期治療で寛解に向かうことがある。メチマゾールの初期用量は通常、1日10mgから40mgの範囲であり、プロピルチオウラシルは100mgから600mgである。治療の期間についてはっきりした基準はないが、通常は6ヶ月から2年間投与される。ただし、もっと長い期間の投与も許される。一部の医師は、頻繁に抗甲状腺剤の量を調節しなくてすむよう、抗甲状腺剤と甲状腺ホルモン剤を組み合わせた投薬法を好んで使っている。
メチマゾールとプロピルチオウラシルのどちらにも副作用が起きる。これには発疹やかゆみ、それから頻度は少ないが関節痛あるいは肝臓の異常が含まれる。プロピルチオウラシルで肝壊死が、またメチマゾールで胆汁鬱滞性黄疸が起きるが、ルーチンな肝機能検査でモニターする必要もないほど希なものである。もっとも重大な副作用は、どちらの薬剤でも起こる無顆粒球症であり、これは患者の約0.3%に起きる。治療開始前に患者にはこの副作用のことを注意しておかねばならない。一部の臨床家は抗甲状腺剤の投薬開始前に白血球数を調べているが、バセドウ病では軽度の白血球減少症が普通に見られるからである。したがって白血球数の初期値を調べておくと、その後に調べた白血球数との比較に役立つ。
発熱や発疹、黄疸、関節痛あるいは口腔咽頭炎を起こした患者は、直ちに薬剤を中止して、担当医に連絡しなければならない。そして、白血球数分画と共に全血球数を調べることも含めて適切な検査を受けるようにする。
炭酸リチウムまたはヨード剤は、抗甲状腺剤で副作用の出た患者で甲状腺よりの甲状腺ホルモン放出を遮断する。ただし、あまり使われることはない。 |
[放射性ヨード治療(3)] |
放射性ヨード(131-I)は、アメリカでもっとも多く使われている治療である。安全で、主な副作用は131-Iの治療後早期に、または後になって起きてくる甲状腺機能低下症であり、生涯にわたる甲状腺ホルモン補充療法が必要になる。131-Iによる治療で受胎しにくくなることはなく、また癌の原因となることも、妊娠前に治療を受けた人の子供に悪影響が出ることもない。妊娠中は禁忌である。まだ異論があるものの、20歳以下の人への使用は普通に行なわれている。若い女性に131-Iを投与する前に妊娠していないことを確かめる必要がある。また、治療後数ヶ月は妊娠を避けなければならない。131-Iによる治療は、授乳中の女性に対しても禁忌である。高齢者または心合併症を起こしてくる危険がある人、特に甲状腺機能亢進症がひどい人は、131-I治療の前に抗甲状腺剤で前治療を行なって甲状腺に蓄えられた甲状腺ホルモンを枯渇させ、それによって131-Iで誘発される甲状腺炎による甲状腺機能亢進症の悪化の危険性を最小限にとどめることができる。一部の患者では、放射性ヨード治療後のコントロールのため数ヶ月、抗甲状腺剤が必要となる場合がある。131-I投与前に適切な用量を定めるため、放射性摂取率試験を行なうのが普通である<注釈:日本でも、平成10年6月から使用量に制限があるものの(13.3mCiまで)、外来で放射性ヨード治療ができるようになりましたので、これから放射性ヨード治療が増えてくることが予想されます>。 |
[手 術(4)] |
バセドウ病患者には甲状腺切除術が勧められることはあまりない。
手術の適応になる場合は、131-Iに比較的抵抗性があり、非常に大きな甲状腺腫がある患者、抗甲状腺剤にアレルギーのある妊婦、甲状腺結節がある患者、抗甲状腺剤にアレルギーがあるが131-I治療を望まない患者である。この治療は十分な術前準備を行なった後で、経験を積んだ外科医によってのみ実施されるべきである。患者には、副甲状腺機能低下症や反回神経の損傷などを含め、起こる恐れがある手術の後遺症について十分説明をしておかねばならない。甲状腺組織の切除が不十分であれば、甲状腺機能亢進症が続いたり、再発したりすることがある。その一方で、甲状腺亜全摘の後には大抵甲状腺機能低下症になる。 |
[補助治療] |
もっとも効果のある補助治療はプロプラノロール<注釈:インデラール>またはナドロール<注釈:ナディック>のような遮断剤である。これにより甲状腺機能正常状態が得られるまで症状の改善をはかることができる。ベータ遮断剤を使用できない患者は、ヂルチアゼム<注釈:ヘルベッサー>のようなカルシウム拮抗薬で治療することができる。 |
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甲状腺機能亢進症の治療は数年間続くことがあるため、次のような治療計画を立てなければならない。 |
[抗甲状腺剤] |
抗甲状腺剤で治療を受けている患者は、病気のひどさにもよるが、甲状腺機能正常状態に達するまで、一般的に最初は4〜12週間隔で診察を受けるべきである。この時点で抗甲状腺剤の用量を減らすことができる場合が多い。その後、患者は抗甲状腺剤を続けながら、3から4ヶ月毎にモニターを受ける。その際には体重、脈拍、血圧、甲状腺および目の検査を含めるようにする。甲状腺機能検査にはフリーT4測定を含めるべきで、甲状腺機能亢進症の臨床症状があるかどうかも診るようにする。T3も適応になる場合がある。血清TSHレベルは、T4やT3が正常に戻ったあとでも数ヶ月抑制されたままの場合がある。このため、検査結果の誤解を生む可能性がある。
抗甲状腺剤を中止したら、投薬中止後最初の3〜4ヶ月は4週間〜6週間間隔で患者を診察し、その後1年間、間隔を伸ばしつつ診察を行なうようにする。臨床的にも検査でも甲状腺正常状態が続いているようであれば、次の2〜3年は患者の診察を年1回行ない、その後は間隔をあけていく。 |
[放射性ヨード治療] |
放射性ヨード治療後最初の3ヶ月は、4週間〜6週間間隔で患者の診察を行ない、その後は臨床状態に応じて間隔をあけていく。治療後最初の6ヶ月〜12ヶ月以内に甲状腺機能低下症の治療が始まるのが一般的である。したがって、このような人に対しては、甲状腺機能正常状態を継続させるために少なくとも年1回のフォローアップが必要である。永続性の甲状腺機能低下症が生じたら、レボサイロキシンナトリウム<注釈:日本ではチラージンS>を投与しなければならず、補充治療の最終目標はフリーT4値とTSHレベルが正常になることである。患者に投与するレボサイロキシンの量が安定すれば、年1回の間隔でフォローアップしてよい。その後の診察では、治療が適切であるかを確かめるには血清TSH測定だけで十分だと思われる。 |
[手 術] |
甲状腺切除後、術後ケアの手順にしたがって患者のフォローアップを行ない、術後約2ヶ月で甲状腺機能状態を評価する。残置した甲状腺の大きさによっても違うが、術後に甲状腺機能亢進症が再発することもあるものの、甲状腺機能低下症になる場合がはるかに多い。レボサイロキシン治療が必要ならば、臨床的にも生化学的にも甲状腺機能正常状態が得られた後は年1回の間隔で患者フォローアップにしてよい。術後に甲状腺機能正常状態である患者も、年1回フォローアップを行なうべきである。この際には血清TSHレベルを甲状腺機能正常状態の評価に用いる。 |
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[バセドウ病と妊娠(5)] |
コントロール不良の甲状腺機能亢進症により、妊婦に有害な影響が出る恐れがあり、胎児死亡率も増加する。妊娠中の治療の目標は、できうる限り最小限の量の抗甲状腺剤を用いて甲状腺機能正常状態を維持することである。妊婦にはプロピルチオウラシルが好んで使われるが、これはメチマゾールに比べ胎盤を通過する量が少ないためである<注釈:この記載は間違っている。一回投与では、メチマゾールよりもプロピルチオウラシルの方が胎盤を通過する量が少ないが、長期に使用する場合には差はないことが証明されている>。しかし、メチマゾールが禁忌というわけではなく、一部の臨床家によって使われ、効果が上がっている。妊娠それ自体がバセドウ病を軽減させる効果があるため、妊娠後期にはごく低用量の抗甲状腺剤ですむか、あるいは抗甲状腺剤の中止も可能な場合がある。
甲状腺機能亢進症の妊婦は4週間〜6週間間隔(あるいは状況に応じてもっと頻繁に)で、治療担当医と産科医の密接な連携をはかって診察しなければならない。妊娠後期に検査した甲状腺刺激免疫グロブリン抗体価<注釈:TSAbまたはTRAb>により、新生児が甲状腺機能亢進症である可能性を予測できる場合がある。しかし、甲状腺機能亢進症の病歴のある母親から生まれたどの新生児も、この可能性について観察を行なわねばならない<注釈:手術または放射性ヨード治療で治っている場合でも、この抗体が高い場合があるからである>。妊娠中に甲状腺機能亢進症の治療を受けた患者は、産後に悪化することがあるため、産後6週間で診察を行なうべきである。
抗甲状腺剤で適切な甲状腺機能亢進症のコントロールが得られず、手術が必要と思われる場合は、早産が起きても胎児が生存するチャンスがある時期に実施する方が望ましい<注釈:一番安定している妊娠中期が適している>。 |
[バセドウ病眼症(6)] |
少数のバセドウ病患者では、目にも臨床的に症状が出るが、これは甲状腺機能亢進症の診断がついて、治療を受けた後であっても生じてくる場合がある。軽度の眼症状には、流涙の増加、羞明、および目に砂が入ったような感じがある。もっと症状がひどい場合は、目の突出や複視、目の痛み、視力の低下がある。身体所見には、眼瞼の後退や結膜の充血および結膜浮腫、眼球突出(片側性または両側性のいずれか)、眼窩周囲浮腫および眼筋麻痺などがある。
患者が眼瞼を完全に閉じることができない場合は、角膜炎が起きることがある。甲状腺機能亢進症であることがわかっている患者に眼症が起きた場合は、診断確定のための特定の検査は必要ない。生化学的に甲状腺機能正常状態の患者に眼症が起きた場合は、自己免疫性甲状腺疾患を疑うべきで、その診断は血清中に抗ミクロソーム(抗ペルオキシダーゼ[抗-TPO])抗体または甲状腺刺激抗体が見つかれば確定する。甲状腺機能正常状態の患者では、甲状腺眼症によく似た他の眼窩疾患を除外するために、眼窩のコンピューター断層撮影(CT)や磁気共鳴画像法(MRI)が適応となる場合がある。
バセドウ病眼症の治療は、目の症状を治療するだけでなく、もっぱら甲状腺機能を正常にすることに専念される。サングラス(羞明の減少)や人工涙液(潤滑のため)も効果があると思われる。眼窩周囲浮腫に対しては、利尿剤をうまく使うだけでなく、就寝中にベッドの頭部を上げることも効果があるようである。一部の医師は、活動性の眼症のある患者の進行を防止するため、特に131-Iの治療後にグルココルチコイド<注釈:副腎皮質ホルモン剤>の全身投与を行なっているが、その有効性はまだ完全には確立されていない。軽度とはいえない症状のある患者の管理は眼科医と共に実施すべきである。 |
[中毒性結節性甲状腺腫(7)] |
高齢者では、中毒性結節性甲状腺腫(TNG<注釈:Toxic Nodular Goiter>)またはプランマー病の方がバセドウ病より多い。甲状腺機能亢進症は複数の機能亢進結節、あるいは頻度は少ないが単一の機能亢進結節により引き起こされることがある。この疾患はバセドウ病との鑑別を行なわねばならない。眼症は中毒性結節性甲状腺腫患者には存在しない。
中毒性結節性甲状腺腫が疑われる患者の診断の進め方には、先のバセドウ病のところで述べた甲状腺機能検査が含まれる。中毒性結節性甲状腺腫が疑われる患者の診断の進め方には、先のバセドウ病のところで述べた鑑別が役立つ場合がある。放射性ヨード摂取率試験や甲状腺スキャンも、中毒性結節性甲状腺腫患者の結節が機能亢進しているかどうかを確かめるのに役立つが、これは甲状腺癌を除外するために穿刺吸引細胞診の必要性を示唆するものである。普通は131-Iが中毒性結節性甲状腺腫の治療に勧められるが、小児や思春期の患者および若年者だけでなく、手術の方を好み、術中のリスクが少ない人、また大きな甲状腺腫がある患者や甲状腺の悪性疾患の懸念がある患者では手術の方が適当である。
バセドウ病がそうであるように、高齢の中毒性結節性甲状腺腫患者はまず、甲状腺機能正常状態になるまで抗甲状腺剤で治療を行ない、その後131-I治療を行なう。非常に大きな甲状腺腫がある場合、あるいは気管や食道の圧迫症状がある場合は手術が適応となると思われる。孤立性の機能亢進甲状腺結節のある患者は、放射性ヨードで治療されるのが普通であるが、小児や思春期の患者に対しては手術も同じように適当である。 |
[甲状腺クリーゼ(8)] |
甲状腺クリーゼは生命を脅かすものであり、きわめてひどい甲状腺機能亢進症の症状と発熱および精神状態の変化が特徴である。普通はバセドウ病患者に起こるが、他の原因で起きた甲状腺機能亢進症患者でも報告されている。甲状腺クリーゼは普通、併発疾患あるいは外傷によって急激に発症するが、抗甲状腺剤の中止後あるいは放射性ヨードによる甲状腺機能亢進症の治療後に自然に起きた例も報告されている。
合併症のない甲状腺機能亢進症と甲状腺クリーゼを区別するような特定の検査所見はない。したがって、臨床的にその診断が疑われる場合は直ちに治療を開始しなければならない。治療は集中治療室で開始し、生命維持手段を講じて発症の原因を治療する。また、1]甲状腺ホルモンの生合成を阻害する薬剤(プロピルチオウラシルまたはメチマゾール)、2]甲状腺よりの甲状腺ホルモン放出を阻害する薬剤(例えばヨウ化カリウム、炭酸リチウム、イポデート、3]甲状腺ホルモンの末梢組織での効果を減少させる薬剤(例えばプロピルチオウラシル、コルチコステロイド、イポデート、イオパノ酸)のような特異的な薬剤を投与する。薬剤の選択は特定の臨床状況に応じて行なう。甲状腺クリーゼは複雑であるため、そのような患者の診察や治療に内分泌病専門医を参加させることが勧められる。 |